(2)は法務省・厚生労働省関係省令の整備と経過措置に関してです。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000292195
同項では改正の趣旨から始まって、概要、根拠と並んでいます。
この中で重要な点は「第2 改正の概要」の中にある「1項(2) 別紙のとおり規定の整備を行う」の部分と
「4項(1)(2)」の日本語能力に関しての記載の部分だと思われます。
(1)は就労前にA1(N5相当)を取得していない場合には入国後講習において100時間以上の教育実施が必要になると書かれています。
(2)では3年満了までにA2(N4相当)に合格できるように、企業の負担で100時間以上の教育を行う必要があると書かれてます。
この2つの事項は育成就労計画の認定基準となっているので、予め準備が必要となる項目と考えられます。
そして今回のメインとなる別紙については以下のリンクから資料のダウンロードが可能ですが、全39ページと膨大な量となっています。
【別紙 育成就労法施行規則の整備案】
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000292196
【参考:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(予定)】
https://laws.e-gov.go.jp/law/428AC0000000089/20270620_506AC0000000060?tab=compare
ここからは要点を絞ってお伝えしたいと思います。
第1 総則
1 定義(用語の定義です)
(1)「入国後講習」:現在の入国後法定講習のこと
(2)「取次送出機関」:現在の送り出し機関のこと
(3)「外国の準備機関」:送り出し国で育成就労希望者に対して関与する取次送出機関以外の機関
(4)「外部監査」:監理支援事業に係る職務の執行の監査
(5)「育成就労事業年度」:毎年4月1日~翌年3月31日まで
第2 育成就労計画に係る規定の整備
1 育成就労評価試験
受入れ分野ごとに定められる分野別運用方針で定められる試験
2 育成就労計画の記載事項
申請書類に必要となる情報の説明
3 育成就労計画の添付書類
申請書類に添付書類の説明
4 育成就労計画の認定の手数料
技能実習制度同様に主務省令で定める額の手数料の納付(金額は未記載)
7 育成就労の目標及び内容の理解
(1)ア 技能についての到達目標は技能検定3級又は相当級の育成就労評価試験合格
同項は技能実習制度の到達目標と同じ扱い
イ 日本語は日本での生活に必要な能力を有していること
A2(N4相当)
(2)ア (ア)育成就労産業分野に属するもの
技能実習制度で言う職種/作業と同じ扱い
(イ)同一の作業の反復のみで習得ができないもの
技能実習制度同様、単純作業でないこと
イ (ウ) 必須作業の割合
全体の3分の1以上
エ 育成就労産業分野に係る分野別協議会に加入していること
キ 入国後講習について
(オ)育成就労外国人が生活と業務に必要な日本語能力を習得するため、就労前に100時間以上の講習を受講すること
※就労前にA1(N5相当)を取得している場合は除く
ク 育成就労計画の目標達成のために就労後に100時間以上の日本語授業を行うこと
※A2(N4相当)を取得している場合は除く
9 育成就労を行わせる体制及び事業所の設備
(1)ア 育成就労責任者が自己以外の育成就労指導員、生活相談員その他の育成就労に関与する職員を監督
技能実習制度の技能実習責任者が育成就労責任者、技能実習指導員が育成就労指導員、生活指導員が生活相談員に名称変更
イ 育成就労を指導する担当する者は、育成就労を行わせる事業所に所属する者であって従事させる業務に5年以上従事した経験が必要
過去3年以内に育成就労指導員に対する講習を修了しているものを1名以上選任
育成就労指導員にも講習受講が義務化
ウ 育成就労外国人の生活の相談に応じて必要な助言をする者は、育成就労を行わせる事業所に所属する者であって過去3年以内に講習を修了しているものを1名以上選任
生活相談員にも講習受講が義務化
コ 監理型育成就労に係るのである場合にあっては申請者及び監理支援機関が次のいずれにも該当すること
(ア)過去1年以内に、申請者又は監理支援機関の責めに帰すべき事由により育成就労外国人の行方不明者を発生させてないこと
会社や監理団体が守るべきことを守らずに失踪した場合は受入れができないという意味
(イ)過去1年以内に育成就労外国人に従事させる業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないこと
特定技能同様に非自発的離職者がいると受入れができないという意味
10 育成就労責任者の選任
申請者又はその常勤の役員若しくは職員であって、自己以外の育成就労指導員、生活相談員その他の育成就労に関与する職員を監督する立場
過去3年以内に育成就労責任者に対する講習を修了しているものを選任
12 育成就労外国人の待遇の基準
(4)育成就労外国人に対する報酬を当該育成就労外国人の指定する外国人本人の金融機関の口座への振込又は現実に支払われた額を確認できる方法で支払う
現行制度同様、振込若しくは現金支給での支払い ただし、現金支給の場合は後で受取り確認ができるような書類が必要
(6) 育成就労期間が1年を経過した後、育成就労外国人の昇給その他の従事させる業務において要する技能の属する育成就労産業分野に係る分野別運用方針で定める待遇の向上を図ることとしていること
今後発表される分野別運用方針に書かれる昇給は確実に行うことと言う意味
(7) 育成就労外国人が一時帰国希望した場合には、必要な有給休暇を取得させること
13 育成就労外国人の数
(2)受入れ人数枠
ア 監理型育成就労における主務省令で定める数は左の表とおり

イ 育成就労を行わせる体制が今後定められる基準に適合する場合
技能実習制度における優良企業と同じ考え

ウ 受入れ企業が優良かつ申請者の住所が法務大臣及び厚生労働大臣
が告示で定める区域にあるときに加えて、以下の項目を総合的に
評価して能力が高い水準を満たした場合
地域については告示案で解説

15 送出機関に支払った費用の額の基準
育成就労計画に記載された報酬の月額に2を乗じて得た額を超えないこと
送出機関に支払う費用の上限額に制限が掛けられたことを証明する文章
20 法第9条の2第4号イの主務省令で定める期間
主務省令で定める期間は、個別育成就労産業分野ごとに1年以上2年以下の範囲内ででそれぞれ当該分野に係る分野別運用方針で定める期間とすること
分野別に決められる期間を経ないと転職や転籍は出来ないという意味
21 法第9条の2第4号ロの主務省令で定める基準
一定の技能と日本語能力を取得していること さらに分野別で定めた要件を満たしている者
A1(N5相当)の合格、分野別の技能検定又は評価試験の合格 加えて分野別で定めた要件に合格している者しか転職や転籍は出来ないという意味
22 法第9条の2第4号ハの主務省令で定める基準
ア 育成就労外国人の総数のうち、法第8条の5第1項の認定を受けた育成就労計画に係る育成就労の対象となっている育成就労外国人の数の占める割会が3分の1を超えることとならないこと
転職や転籍で受入れした特定技能者が全体の3分の1を超えてはならないことを定めた文章
イ 申請者の住所が指定区域にあるものでない場合、育成就労外国人の数の占める割会が6分の1を超えることとならないこと
都市部集中を回避するために、8都府県に転職してくる育成就労者は企業が受入れしている育成就労者の6分の1を超えてはならないことを定めた文章
27 育成就労の期間の延長
育成就労の終了日までに習得させる技能又は日本語能力に係る目標を達成できない場合は育成就労期間を延長できる
他の資料では1年の延長が認められると記載
第3 監理支援機関に係る規定の整備
3 本邦の営利を目的としない法人
キ 公益社団法人
JIAECは監理支援機関の許可を取得予定
4 監理支援事業を遂行する能力
(2)ア 監理支援を行う監理型育成就労者実施者の数を8で除して得た数
イ 監理支援を受ける監理型育成就労の対象となっている監理型育成就労外国人の数を40で除して得た数
監理支援機関もきちんと監理が行えるように実施者と人数に制限が定められた
10 監理支援機関の業務の実施に関する基準
(1)監理型育成就労実施者が認定育成就労計画に従って監理型育成就労を行わせているか、出入国又は労働に関する法令に違反していないかどうか、その他適正な実施及び監理型育成就労外国人の保護に関する事項について、監理支援機関は監理型育成就労実施者に対し3月に1回以上の頻度で監査を行うこと。
技能実習制度同様に3ヶ月に1回の監査を行うこと
(4)監理型育成就労実施者が認定育成就労計画に従って監理型育成就労を行わせているかについて、監理支援責任者の指揮の下に、1月に1回以上の頻度で、実地による確認及び監理型育成就労実施者に対する必要な指導を行うこと。ただし、監理支援を受ける育成就労者の合計が1年を超えている場合は、この限りではない。
技能実習制度同様に1年目は1ヶ月に1回以上の定期訪問を行うこと (1)とあわせると2年目と3年目は3ヶ月に1回でも可となっている
以降にも色々ありますが、直接的・間接的になっている事項についてお伝えしました。